食品包装のあれこれ

 食用油の包装材として、ポリエチレンボトルとポリ塩化ビニルとが双璧である時代がありました。ポリ塩化ビニルは使用開始当初、可塑剤や安定剤が混入してしまう可能性を指摘する声もあって心配されましたが、安全性の確認が繰り返される中で徐々に受け入れられていきました。酸素透過率が低いため、家庭用としても、業務用としても売れ続けました。しかし、塩ビモノマーの溶出問題が発生。危険性が排除できないとされたことから業界もポリエチレンボトルを選ぶようになり、その後しばらくはポリエチレンが主流となりました。

 ポリエチレンにも問題が無かったわけではありません。ポリエチレンには若干の通気性を有するため、注ぎ口をきちんと閉めても油の劣化は防げなかったのです。そこで食品包装材の業界は次世代の容器の開発に勤しみ、その結果昭和40年代頃には「ラミコンボトル」が生み出されました。ラミコンとは、ラミネート・コンポジットの略で、従来品にビニルアルコールを挟み込んで弱点を解消したものです。ラミコンボトルは誕生後急速に浸透し、現在も販売される油の容器の主流です。因みに油のメーカーは、容器を油の質に応じて使い分けており、大衆向けの油にはラミコンボトルを、プレミアムオイルにはペットボトルを用いています。

 いずれにしても現在売られている油の包装材は、そのほとんどがプラスチック製です。もちろんギフト用の油や業務用の油は、依然金属缶に詰められていることもありますが、これらは遮光性を気にする人に向けた特殊仕様の商品であり、多くの人はプラスチック製のボトルを支持していると考えられます。

 このように、私たちの身近な包装・梱包には、様々な技術がこめられています。そういったときに使われる資材を扱う各メーカーでは、案件に合わせ様々な工夫をすることで、は、包装の品質管理を行っているのだそうです。