包装の原点ともいえる食品包装が対象とする食品には、様々な性質があると言われています。食品が有する性質の一つが、たんぱく質をはじめとして食品に含まれている各種の栄養素と、逆に農薬をはじめとした数々の有害物資が含まれていないという安全性といった基本的特性と言われているものです。
さらに、食べたり眺めたりすることで感じる嗜好性、食べることで血圧の調節やコレステロールを下げるといった健康維持に欠かせない生体調節機能性といった機能的特性も挙げられます。
そのほか、生産者や製造会社、加工業者から消費者へ届くまでの流通過程で起る食品に及ぼす周囲の環境、たとえば乾燥をはじめ吸湿、鮮度低下といった幅広い要因に対する耐性である流通特性などがあります。
食品包装は、これら諸特性を維持あるいは抑制するために様々な食品加工技術が行われて初めて達成できるものと言っていいでしょう。