食品包装のあれこれ
7月 4, 2020

コールドチェーンとの連携

現代の包装資材は二軸延伸ポリプロピレンフィルムが主流と言えるでしょう。これはOPP袋とも呼ばれており、これを曇らないように加工することによって、ポリエチレン袋よりハリがありながら、高透明度の曇らないフィルムという理想的なフィルムが実現されたと言われています。このOPP袋は、しっかりと中身が見えることもあり、スーパーのバイヤーの飛びつき方が段違いだったそうです。近年、核家族化や単身世帯の増加から、丸ごとの野菜ではなく、急激にカット野菜の需要が伸びていると言われています。ライフスタイルが変化したことにより、キャベツが千切りの状態でパッケージされたものや、開けてすぐ食べられるよう、様々な種類の生野菜がパッケージされているもの、また、野菜妙め用の食材がカットされてセットになっているものなど、カット野菜の普及は目覚ましいと言えるでしょう。このカット野菜の普及にも、食品包装の技術はふんだんに生かされていると言えるのではないでしょうか。野菜というのは、切られた面から傷みが始まり広がるため、丸ごと販売している野菜よりも鮮度を維持する必要性というのが必然的に高くなると言えるでしょう。これを実現するためには、ただ包装に使用する資材を改良するだ
けではなく、流通といった業界をも巻き込んで確立させるコールドチェーンといったものが関連してくると言えるでしょう。カットフルーツやカット野菜用の食材の場合、産地で収穫した段階から予冷庫に入れて温度を下げ、それを冷蔵車や冷凍車を利用して市場へと運ぶことが重要と言えるでしょう。市場の中においても、これまでは常温で並べられていたところを、仲卸の持つ冷蔵庫に入れて管理されるようになっているそうです。このようにコールドチェーンの発達なくしてはカット野菜の鮮度は現在のように守ることは難しいのではないでしょうか。