食品包装のあれこれ
12月 9, 2019

アクティブバリアPETボトルなど

ナフテン酸コバルトなどのコバルト塩を酸化触媒としてMXD6ナイロンにブレンドし、MXD6ナイロンを酸化させて酸素を吸収するタイプの酸素吸収剤があります。酸化により、MXD6ナイロンの分子は切断されます。欧州企業が20世紀後半にこの系のシステムを開発しています。これは、PET、MXD6ナイロン(4%)、ナフテン酸コバルト(200ppm) のブレンド系で、飲料用PETボトルとして検討されましたが、ブレンド系のため透明性が悪いことや、ナフテン酸コバルトが飲料とダイレクトコンタクトしていることなどの理由に実用化には至りませんでした。しかし、このシステム開発で生み出された技術はその後、米国の企業がその権利が譲渡され、PET/OXBAR/PETの3層構成のアクティブPETボトルが開発されました。現在、ビールメーカーのビールボトルに使用されています。この3層構成のPETボトルに適用されているシステムは、MXD6ナイロンとコバルト塩触媒のブレンド系です。米国のビール会社は、5層アクティブバリアPETボトルに充填したビールを市場に出しています。このボトルの酸素吸収技術は、MXD6ナイロンにコバルト塩の酸化触媒をブレンドした酸素吸収剤を利用したタイプです。我が国の製罐メーカーでも、MXD6ナイロン・2重結合系ポリマー・コバルト塩系酸素吸収剤を開発し、アクティブバリアPETボトルに適用しています。このボトルに使用されている酸素吸収剤は、酸化しにくいMXD6ナイロンが使用され、酸素の吸収は2重結合系ポリマーの酸化反応によって行われており、現在では、ホット販売用飲料容器などにしようされています。